邪道(旧)

歌って踊れるエンジニアの叫び

Experience Visionをはじめてきた #devlove

ブログを移設しました ⇒ TAKAKING22.com

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DevLove主催のExperience Visionのはじめかたに参加してきました。

なぜ参加したか

ユーザーから見たら、開発もマーケティングも営業もビジネスも関係なくサービス提供者に過ぎません。

私はこれまでどちらかというと開発者としての視点でサービスづくりに携わってきましたが、最近になってようやくサービス提供者としての視点で何ができるのかを課題に感じるようになりました。

Agile・Scrum・User Story Mapping・Lean Startupなど最先端の考え方/プロセスにおいてもビジネスと開発の関係性は常に語られていますが、まだ私の中では腹落ちしていない部分があり、私のようなぺーぺーに何ができるのかを見つけるヒントを探しに参加してきました。

What is Exeperience Vision

EXPERIENCE VISIONの共著者のお一人である山崎和彦先生にご講演いただきました。

エクスペリエンス・ビジョン

エクスペリエンス・ビジョン
著者:山崎和彦
価格:2,940円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る 

EXPERIENCE VISIONは、こんな本!!

  • ビジョン提案型デザイン手法の本
  • 7月に発売されたばかり
  • 5年かけてWork Shopや実践をまとめられている
  • すぐに実践(Work Shop)できるテンプレートがダウンロードできる
  • 具体的な事例紹介入り
  • 略してえびちゃんえび本 ※山崎先生公認 

以下のリンクが参考になります。

 

講演レポート

以下ご講演のポイントをまとめさせていただきます。

詳細な内容は以下リンクを参考にして下さい。 

What is Exeperience Vision

まずはExperience Visionの概要をご説明いただきました。

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  • 5年間かけてWork Shopの成果や経験をまとめたもの
  • Product Designはそこら中で言われているが世界を見てもあまり教科書が無い
  • 世にある多くの方法論はそれだけで世界が変わるかのように書かれがち
  • 世の中にあるよい手法はなんでも取り入れて、ないものは作るスタイル
  • 目の前の仕事に追われがちだが、もう少し遠くを見て本当にユーザーにとって大事なことはなにかを考えてしっかりと戦略を立てる
  • プロジェクトの目標立ての部分をもう少し大事にする

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  • ビジョン提案型デザインの大まかなイメージ

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  • 人間中心設計に基づくビジョン提案型デザイン手法
  • これまではユーザーへのヒアリングや要求からプロダクトを作ることが多かったが、ユーザーの価値に基づいてエンジニアやデザイナーから提案していく
  • ユーザーを中心に置き、ユーザーの潜在的なニーズを形にしていく
  • 一度上(価値)に登るのが特徴

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  •  一度上に登ることで全体を見る
  • Change Gameのことを考える
  • Change Game:既に効率化されている大企業と同じ土俵で戦わない 

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  • EXPERIENCE VISIONの中で紹介されているテンプレート
  • ビジネスモデル・キャンバス(※)に似ている
  • 全体を見ることはできるというのはとても大事

Business Model Generationで紹介されているフレームワーク : 参考リンク

Exeperience Visionのはじめ方

Experience Visionの中でも構造化シナリオを中心に少し掘り下げていただきました。

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  • 役割に関わらずビジョン提案やサービス構築に主低的に貢献することが求められている

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  • ユーザーにとっての本質的な価値を導きだし、そこに体験や経験を提供すること
  • 結果からくる問題解決とは別に、本質的な価値にアプローチする手法

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  1. 問題解決型デザイン
  2. 提案型デザイン★
  • 前者はたくさん本があるのでExperience Visonでは後者に特化している
  • 人間中心設計をイノベーションにもっと使って行く
  • 異文化の人と一緒にやらないとイノベーションは起こせない
  • 技術、マーケティング、デザイナー、ビジネス・・・いろんなストロングポイントを持った人達が協力することで何かが生まれるという発想が大事

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  • 基本的なアプローチ方法

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  • 本質的欲求を理解するためのいろんな方法
  • ユーザー視点とビジネス視点の二つの視点

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  • 仕様書はモノや動きしか書いていないが、シナリオはモノとそれをどう使うかを表す
  • シナリオは日本語がわかれば誰でもわかるので、異なる役割の人達がコラボレーションする際の共通言語になる
  • 理解できるということは、コラボレーションができるということ
  • シナリオごとに評価を繰り返す
  • リリースしてからではなくシナリオの時点でユーザーのことを考えているのかを評価

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  • シナリオそれぞれの種類の特徴と評価項目

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  • 構造化シナリオの特徴まとめ

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  • ユーザー視点での評価について
  • それぞれのシナリオで評価のし方を変えていく

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  • ビジネス視点での評価について

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  • よくみる計画書には製品とビジネスのことしか書いていない
  • どう進めるかについては戦略(担当が別だ)だと言われてしまいがちだが、それでは新しいものが生まれない
  • 目標設定を高く持つことが大事

QA

QAの中のポイントだけまとめます。

Q. 調査をしているが信頼してもらえない。どう乗り越えたらよいか?

  • インタビューの人数を増やすと共感してもらいやすい
  • 先にシナリオを作ってしまう
  • 成功するアイデアを見つけることは簡単なものではない
  • 企業では慎重に計画した結果行動に移せずに終わることが多い
  • たくさん穴を掘ってはやくユーザーにたどり着くことが大事
Q. Experience Visionはウォーターフォールに近い印象。AgileやLean Startupとの比較は?
  • リリースはしないが、Quickにものをつくるという点でAgileやLean Startupに似ている
  • 評価を繰り返して本質に近づいて行く
  • むしろリリースしなくても評価できる方がQuickである

まとめ

お恥ずかしいことに「Experience Visionのはじめかた」というタイトルにかまけて予習をさぼってしまってましたが、これはちゃんと読まねばならん!とさっそく手に入れました。

感想については講演中のTweetにすべて表れています。

これまでいろいろなことに興味を持って勉強をして現場活動につなげてきましたが、だからこそ今回Experience Visionの話をきっかけにいろんなものがつながる想いがしました。

冒頭に書いた通り、AgileやScrumやLean Startupなど個々で足りない・腑に落ちない部分がありました。山崎先生がおっしゃったようにビジネスや開発を通して価値提供という大きな範囲でみたら、たった一つの考え方でうまくいくことは難しいです。プロセスや方法論自体も目的を達成するためにいろいろなものを素早く小さく試して評価して、いいものを組み合わせていけばよいと思います。 

Experience Visionの内容についてはもちろんまだわからないところが多いです。
しかし、サービス提供者としてユーザーの本質的な価値にアプローチすることが本当に大事なことだと改めて思いました。開発やビジネスやデザイナーというユーザー視点ではない分割は忘れて、自分に何ができるのかを考えてみたいと思います。

エクスペリエンス・ビジョン

エクスペリエンス・ビジョン
著者:山崎和彦
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 まずは本を読んで素振りからはじめますか!